コラム AWAKES COLUMN

熱中症 第四回「スポーツ現場でできる対策と予防」

2018/07/27

こんにちは。
大阪は、心斎橋、四ツ橋、堀江にあるパーソナルトレーニング・コンディショニングトレーニングジム、Awakes (アウェイクス)の高嶋です。

今回は熱中症の第四回、「スポーツ現場でできる対策と予防」についてお話ししたいと思います。

近年、部活動や各種競技大会等での熱中症による不慮の事故が増加しています。

前回もお話ししましたが、熱中症は防げる病気です。
ですので、「不慮の事故」と言いましたが、そのほとんどは事故ではなく、過失を伴う防げた場合の可能性があると思います。

過失であれ不慮の事故であれ、熱中症に対する予防対策はとても重要です。

予防対策

1.活動に参加する前の問診や身体検査

主治医の参加や管理下での身体検査が望ましいですが、
日本では、部活動やスポーツチームに主治医がいる環境は多くないと思います。
主治医の下で現場との橋渡し役を行う、アスレティックトレーナーが常駐している学校やスポーツチームも多くはありません。
その中で、最善を尽くし、そのチームの活動の責任者が、専門の知識を持った医師やアスレティックトレーナーと協力して、事前に、問診票などで活動に参加する部員の健康状態をしっかり把握し、
リスクの高い者を知っておくことが大事です。

2.徐々に順応するよう計画する

暑くなる時期が近付いてきたら、7日~14日かけて、その高い気温下での運動量を増やしていくようにしましょう。
例えば、30℃を超えるような湿度の高い日がそのシーズン、初めて来たとします。
その日は、極力、練習時間と練習強度を下げ、まず、暑さと湿度に慣れるように、軽く身体を動かす程度のアクティビティーにします。
休憩を多めに入れながら、目安は1時間から1時間半で。
そこから、練習時間と練習強度をうまく調整しながら、2週間を目安に通常の練習量までもっていくようにします。

3.環境を考える・活動時間帯の調整

順応後も、こまめに休憩時間を設けるなど、計画的に練習内容を組むようにしましょう。

20~30分に一度、3~5分前後の休憩を入れる。
40~60分に一度、5~10分の日陰での休憩を入れる。

また、練習時間帯も、日中の一番暑い時間帯を避けるようにしましょう。
午後12時から夕方の5時までは避けるようにしましょう。

体育館などは、冷房設備の整っている施設を積極的に使いましょう。
冷房設備の整っていない体育館では、大型扇風機やサーキュレイターなどを設置し、
休憩時に、風に当たれる環境を作りましょう。

4.体重の管理

暑い中、運動をすると発汗量が増え、かなりの量の体内水分が失われます。
これは、短期間に体重の減少に繋がるので、
練習前と練習後に体重を計ることで、その選手がどれくらい水分を失っているのかはっきりわかります。
体重の2%以上の体重の変化は注意しましょう。
例えば55㎏の選手の2%は110gです。
最近のデジタル体重計は200gもしくは500gでの計測が可能です。
運動前後での200gの減少は約4%の減少になりますので、要注意です。
体重差が500g以上の場合、かなり危険な状態ですので、次の日は、運動を止め、しっかり水分を摂り、体重が戻るまで運動はさせないようにしましょう。

5.睡眠時間

暑い気温下での運動は、いつも以上に体力の消耗が激しいです。
睡眠時間は7時間以上、質の良い睡眠が出来るよう、27℃前後の環境を保った快適な場所でしっかり睡眠をとるようにしましょう。
熱疲労は蓄積されます。
熱が慢性的に蓄積されたままになると、熱中症になりやすくなります。

また、毎日の体重計測の時に、簡単な問診票を作り、
睡眠時間や疲労度を各選手に聞き取りするようにし、
その問診内容をもとに、個人個人でトレーニング量の調節が出来るようにしましょう。

6.緊急時のための対策・計画

身体をすぐに冷やせるように、影のある場所を確保したり(テントなど)、冷たいタオルや氷風呂(アイスバス)を用意するなど、もしもの時の応急処置が出来る準備をしっかりしておきましょう。
また、各個人が冷たい飲み物を用意するほかに、
チームとして緊急用に冷たい飲み物や氷を用意しましょう。
個人で飲み物を持参するようにしているチームは、
飲料物を持ってこなかった選手・部員は「運動に参加できないルール」を作るなど、事前に安全のためのルール作りをしておきましょう。

また、急激な症状の変化に対応できるよう、「どの様な手順で救急車を呼ぶか」や「緊急対応に最低何人の人員がいるか」などの計画や、
また、救急車が到着するまでの応急処置の方法(冷却手順やAEDの確保)など、しっかり緊急時行動マニュアル(Emergency Action Plan: EAP)を事前に作成し、関係者、特に、その部活やチームの現場責任者や指導者全員と共有しておきましょう。

7.指導者、コーチ、選手、スタッフ全員への教育

熱中症対策で最も大事なのが事前の「教育です。
部活、チーム活動に参加する全ての者が、知識をしっかり持っておくことが、とても大事です。
熱中症がどういうものなのか、
どの様な症状が熱中症のサインなのか、事前に医師、看護師、アスレティックトレーナーなど熱中症に精通した専門家を招き、チームミーティングを開き教育の場を設けましょう。

また、身体の調子が悪い時に、躊躇なくコーチや指導者に申し出れる環境(人間関係)をしっかり整えておきましょう。

指導者(コーチ)と選手の関係上、選手がなかなか言い出しにくい環境にある部活やチームは多いと思います。そのような場合は、中立の立場で判断できるアスレティックトレーナーを常駐させることが出来るよう、予算を組む段階で、学校や管理組織において検討するようにしましょう。

8.応急処置と医療的処置

もし、熱中症になった場合、すぐに適切な応急処置が出来るように、
現場にいるコーチ、指導者、スタッフが不快なく対応できる、知識やトレーニングをしておきましょう。
また、その様な対応が出来るアスレティックトレーナーの常駐を学校や管理組織で検討し、
予算を付けれるようにしましょう。

重篤な熱中症は、体調が急激に変化し悪化します。
コーチやスタッフではそのような緊急時ではパニックに陥ってしまいがちです。
知識があり訓練されたアスレティックトレーナーや医療従事者を常に現場に常駐させることは、
対策・予防の観点からとても重要です。

対策にはたくさんの事がありますが、前もって、余裕をもって対策方法を準備しておくことがとても大事です。

まだまだ、暑い日が続きますが、しっかり対策・予防をし、
みんなが元気に楽しくスポーツに取り組めることを願っています。

熱中症に対するチームや団体のサポート、教育、ミーティング等でお困りの方は、
AWAKES、アスレティックトレーナーの高嶋までお問い合わせください。
貴団体にあったプレゼンテーションをおつくりいたします。

参考文献:

  1. 日本救急医学会:熱中症診療ガイドライン2015
  2. Douglas J. Casa et.al. (2015) National Athletic Trainers’ Association Position Statement: Exertional Heat Illnesses. Journal of Athletic Training: September 2015, Vol.50, No.9, pp986-1000
  3.  Heat Illnesses. Korey Stringer Institure. https://ksi.uconn.edu/emergency-conditions/heat-illnesses/#

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